吉田工場長の部屋
(月刊ジャーマンカーズ2003年9月号掲載)


上はトレーナー下はすててこの私ですw

みなさんこんにちは。

先月号のウォーターポンプについて、私の手元に10月号が届いて
初めて判ったんですが、写真、見えづらかったですね。
デジカメで撮っていただいた映像を見たときは結構はっきりとわかったんですが、
紙面に載ってしまうと意外にも写真が小さくなってしまってすみません。
かといって写真を大きくすると私の文章スペースがなくなってしまうし(笑)

次回からもっと接写していただくとか考えます。


さて、話は変わって最近は朝晩が寒いですね。
私なんか早くも上はトレーナー、下はステテコで武装して仕事に励んでおりますが
(そういう歳です、ハイ)雨なんか降ってしまうと湿気に弱い私は
すっかりボルテージ下がってしまいます。

この湿気、寒さで車の電装品も時々やられてしまうんですよね。
なぜ電装品は水に弱いかというと、本来完全な「真水」であれば
電気は通さないのですが、実際は様々な不純物が含まれており、
その「不純物」が電気を通してしまうのです。

バッテリー本体が汚れていると、本体の汚れと湿気がそのまま導電体となって
放電を加速させてしまいます。
真夏の過酷な熱によって散々な目にあったバッテリーが、
今度はじめじめとした湿気でさらに放電・・・
比較的涼しいこの時期に突然バッテリーが上がってしまうのは
長期間使用されて少しずつ弱ってきたバッテリーが加熱によって弱められ
(バッテリーは電解液の温度が約40度を境に能力を落とす)
さらに過剰な放電によって息絶えてしまう、というわけです。

完全にイってしまったバッテリーはもちろん交換するとして、
問題なのはイキそうでイカないバッテリー。
これは車の充電系統に余計な負担がかかるために、
オルタネーターが参ってしまう場合があります。
これは厄介ですよ。


バッテリーの電源電圧が不安定になってしまうと、
エンジンやオートマチックミッションのコンピューターが
作動不能になってしまうことがあります。

特にミッションコンピューターは電圧不良で簡単に動作を停止してしまうため
「変速しない」などの症状に訴えてきますから、注意が必要です。

現在の高性能なメンテナンスフリー(カルシウムバッテリー)タイプの場合、
普通は2年に一度くらい、すなわち車検を目安に点検すればいいのですが、
いわゆるユーザー車検では法律上問題のない「不具合」
でも検査は通ってしまいます。
しかしその状態で「健康」であるかどうかは別問題です。

写真は車両診断テスターを用いての診断作業ですが、
バッテリー電圧がおかしい場合でもコントロールユニットは「電源電圧の不良」
という故障メモリーを残してくれますから手がかりとして充分ですね。


そうそう、バッテリーに電気を供給するオルタネーター自体も
ベルトによって駆動されていますから、
このベルトも定期的な交換は欠かせません。
バッテリーやベルト類に限った話ではありませんが、
自動車部品は走行距離に関係なく劣化、消耗する部品も
少なからず存在します。

エンジンオイルも例外ではなく、
まったく走らない(エンジン運転をしない状態)でも
2年ほどで酸化して本来の機能を失ってしまいますから
走行距離が少ないからといって油断は禁物です。


車検はまだ先、という人は、えーと・・・・・・
実は8月いっぱいでおしまいだったはずの安心点検パック、
まだやってます(笑)

というか、何も期間限定にする必要なかったんですね。
というわけで継続してますのでお気軽にどーぞ。

それではまた。

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