吉田工場長の部屋
(月刊ジャーマンカーズ2004年1月号掲載)


こんちわ 寒いですね〜!

みなさんこんにちは。

今原稿を書いているこの季節、世間ではインフルエンザが
思いっきり猛威を振るってくれちゃってるみたいで、
ご来店いただいているお客さんのお話では相当多くの方が
倒れてしまっていると聞いてます。
私自身は昨年のうちに予防接種を受けていたので
どうやら助かったようですが、わが息子は予防接種を受けたにもかかわらず
抗体の出来が芳しくなかったとかなんとかで見事にかかってしまいました。

皆さんはお元気ですか?


さて、前回では安心点検パックの内容を写真つきで
解説をさせていただきましたが、日ごろ整備点検を行っていると
ある一定の法則を見ることがあります。
すなわち「不具合を起こす部品は大体決まっている」ということです。
「エンジンリフレッシュ」は比較的高い確率でクタビレているパーツ交換を
まとめてやってしまおうというものです。では早速見てみましょう。

まずはイグニッションコイルを外してみましょう。
外したコイルのゴム部分がオイルで湿ってます(写真1)
プラグポートを覗いてみるとオイルが見事に垂れてきているのが
確認できますね(写真2)
これはヘッドカバーガスケットの硬化によるオイルのにじみです。
放置しておくとプラグの電極が油だらけになって点火不良を起こしてしまいます。
ここまで分解したらせっかくなのでプラグも交換したいところ・・・ですが
標準のプラグを使うのでは芸がありません(笑)

今のところ間違いなく効果が体験できて耐久性に優れるプラグとして
お勧めできるのはBMW正規部品として使用が認定されている
「ハイパワースパークプラグ」です(写真3)標準の2極と比べて
電極の数が4極というだけでなく真ん中がプラチナ合金で、
しかもこのテのプラグにしては広い面積を保っていますので耐久性は充分!
BMW社では耐用走行距離を6万キロと定めて(標準のプラグでは
おおよそ2万キロ)おりますから一度交換しておけば相当長持ちするでしょう。


実は最初は標準のプラグで対応しようかと思ったんですが、
ハイパワースパークプラグを装着されたお客さんの
評判がすこぶる高いので思い切って採用しました。
ちなみに現行のBMWには標準で採用されているプラグです。
点火系をリフレッシュしたら今度は美味しい空気をたくさん
吸わせてあげなければいけません。

エアクリーナーエレメントは定期的な交換をしてあげないと
目つまりしてパワーダウンにつながります(写真4,5)
燃費にも悪影響を及ぼしますから、せっかくプラグを交換して
燃費向上を図ってもここで無駄にしてしまっては意味がありませんよね。
エアクリーナーエレメントを通過した美味しい空気をエンジンまで導く
インテークベローズホースもよく亀裂が入ってしまいます(写真6)
特に冬場は気温が低いためこのようなゴム部品は硬化して
最悪の場合避けてしまい、アイドリング不調の原因にもなりますし、
もちろん燃費にも影響します。

さあ、点火と吸気を済ませたらエンジンの補機類を駆動する
ベルトを見てみましょうか(写真7)
最近のベルトは自然に切れるといったことは滅多に発生しなくなりましたが
この写真のように亀裂が入っているということは硬化して
柔軟性を失っている状態ですから、スリップして
補機類がうまく動いてくれませんし、スリップによる加熱によって
切れてしまう危険性もあります。


最後は燃料系統です。エンジンルームは動けば灼熱地獄、
止まっていれば極寒地帯で容赦なく燃料ホースを痛めつけます(写真8)
亀裂が入っていなくても硬化して接続部分から燃料漏れを
起こすこともありますから燃料フィルターと一緒に交換します。
燃料フィルターは汚れ具合が外見で判断できず、
それでいてエンジンの調子を少しずつ悪くしていくので
このような機会に交換するのがいいわけです。

と、今回撮影したこの車、なぁ〜んかどっかで見たことあるよなぁ・・・と思った方、
そう、これ実はデモカーなんです。当社にやってきて足回りを組むや
すぐさま取材やら試乗やらで連日のハードスケジュールだったデモカー君は
ちょっとくたびれてしまったようです。下回りを覗いてみると
ローダウン対策キットを取り付けたときには見られなかった
パワーステアリングホースのオイル漏れも発見されました(写真9)

左のページで「デモ車については試乗OK、しかし修理中の場合も・・・」
と書いてありますが、この原稿を書いている今まさに修理中です(笑)
この本が出版されるころにはまた元気に走ってくれていることでしょう。


この後は540i、318isの製作も予定されている私の当面の課題は、
自分の車を整備する時間をどうやって捻出するか?といったところでしょうか(涙)
紺屋の白袴とはまさにこの事ですが、まぁもう少しわが愛車にも
がんばってもらいましょう(ああかわいそう私の車)

それではまた。

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