ジャーマン記事2008年8月


車検だけ取った状態

取り寄せた部品
さぁやりますよぉ!

皆さんこんにちは、梅雨に入り皆さんはどうお過ごしでしょうか?

この時期は私たちも動きが鈍くなってしまい昼間の作業効率も低下しまいがち、そんな中事務員さん自前の「冷やしたおしぼり」で気合いを入れながら作業に立ち向かっております。皆さんも湿度に負けそうな時はぜひ試してみてください。結構効きますよ!

さて今回のテーマは「車検準備」です。とは言っても前回の「現状把握」編で比較的良好状態でしたので思い切って車検を取ってみました。結果は見事合格!ナンバーが付きました。(写真1)(車検ラインには阿部主任に行ってもらいました暑い中エアコン効かないのに行ってくれて感謝です。)これで堂々と公道を乗り回せます。

しかし、車検が通ったからと言って「安心して乗れる車」と言う訳ではありませんので整備に取りかかります。前回取り寄せてある部品を交換していきます(写真2)


スパークプラグ取り外し

まずエンジンの肝である「タイミングベルト」の交換。ここが切れてしまうと吸排気バルブを全部曲げてしまう恐れがあります。1年以上動かしていないエンジンです、当然ゴムベルトの状態は最悪でしょう(本当は車検も交換後に行きたかったのですが、今回はスケジュールの関係上、カケで行ってしまった。)それと同時に「ウォーターポンプ」も交換します。


サーモハウジング旧、新

こちらは構造上「タイミングベルトのテンショナー」の受けになっているので同時交換が望ましいうえ今回は「サーモハウジング」からも水漏れをしているので水回りの見直しには丁度よい作業です。ちなみに後で交換となるとタイミングベルトを特殊工具で固定しなければならないしね。(写真3、4よく見えないかな?)

それと先ほどでてきた「サーモハウジング」こちらは写真5でわかるように形が少し異なっています。これは対策品に変更されているからです。古い形だと指で指している部分から水漏れしやすい事から対策されました。このあたりがBMW



 バッテリー


エアクリーナーボックス外し

では今度は交換行程に入りましょう。

まず、バッテリーを外します(マイナスだけでO,K写真6)

その後スパークプラグを外します。(クランクシャフトを回りやすい状態にする為圧縮圧力がかからないようにする為写真7)この時プラグギャップも6気筒分調整しておきます。

ファンブレードを外す為にエアクリーナーボックスを外します。(写真8)


Vベルト取り外し


ディストリビュータキャップ清掃


クランクプーリー取り外し


Vベルト(オルタネーター、エアコン、パワステ)と共にファンブレードを外します。(写真9)

この時クーラントも抜き始めます。ディストリビュータキャップを外し、ついでに電極もヤスリなどで磨いておきます。(写真10)

ウォーターホースを外し、フロントカバーを外します。ここで本日の主役「タイミングベルト」が姿を現します。次にクランクプーリーを外します(ここも国産車などと違いボルト6本で取付けられています。写真11)

クランクシャフトを1番シリンダー圧縮上死点に合わせます。「タイミングベルトテンショナー」を緩め「タイミングベルト」を外します。するとウォーターポンプが出てきます。ここはボルト3本で付いていますこれを外しガスケットを剥がして取り外しは終了。


サーモスタット取り外し


サーモハウジングと
インジェクターホルダー

次に「サーモハウジング」の交換これはその名のとうりサーモスタットが入っている部分なのでまずサーモスタットを外します。(写真12)

次にサーモセンサーを外しインジェクターホルダーも邪魔になるので少し浮かします。(写真13)

ナット2本を取り外しスタッドボルトからハウジングを抜きます。(写真14)


取り外したサーモハウジング


新品のサーモハウジング

取付は「ウォーターポンプ」「サーモハウジング」共に紙ガスケットを使用していますのでエンジン側にちぎれて残っている場合がありますこれを慎重に剥がしてから液体ガスケットを薄く塗った紙ガスケットと本体を取り付けます。(写真15いやー新品は綺麗ですねぇ)

でっ主役の登場「タイミングベルト」です。テンショナースプリングを一杯に押し下げ固定しながらコマずれしないように組み付けます。


タペットカバーを外したところ

テンショナーをスプリングの力によって張りつけます(この時張りすぎに注意)テンショナーを固定して「タイミングベルト」の交換自体は終了、せっかくここまでバラしたのですからエンジンの癖を好みに合わせる為に、今度はタペット調整に移ります。

BMWは割とオーバーラップがきついカムシャフトを使用していますので1気筒ずつ慎重に合わせていきます。(写真16.17)

基準値は0.25mmですがアイドリングを落ち着かせるには0.26〜0.27mmで合わせる方が振動は押さえられるでしょう。

今回は大人の味付けということで0.26mmに調整してみました。俗に言う「カムに乗る」感じは少し抑え気味な感じです。


調整部分
後は締め忘れなどを確認しながら組み付けです、ラジエーターアッパーホースを残しスパークプラグまで取り付けていきます。
必殺!クーラントブースター

最後にアッパーホースから薄めたクーラント(透き通っているぐらい薄い方が良いと思います。データが有るわけでは無いのですが調子が良い気がします。)を注いでいきます。(シリンダーブロックに水を行き渡らせ易くするため)これから夏を迎えるのでキャンペーン中のワコーズ、クーラントブースターも入れてみました。これは1000円ぐらいの物なので旧車にはもってこいのアイテム!(写真18)

アッパーホースを締め付けいざっエンジン始動!メーターの水温計に気を配りながらヒーターを全開にしてオーバーヒートしないか様子を見ます。水温が安定したところでエンジンを止め1晩冷やしてから水の量を確認して作業終了(クーラントブースターについては走行してからのインプレッションにしましょう)


仕上がり後のエンジンルーム

これでとりあえずエンジンの心配な箇所は押さえられました。後は走りの部分や快適性を見直していきたいと思います。

次回は「エアコン修理」この夏、現在の走るサウナ状態を少しでも解消できるような改善をしていきます。

間に合うのかなぁ、、、(笑)

それでは皆さんまた来月お会いしましょう。

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